(総収益率)FCRは ” Free and Clear Return ” の頭文字を取った略称です。
日本語では、”総収益率” または ”ネット利回り” とも表現されます。
総収益率(FCR)は、購入~数年の初期の物件の『稼ぐ力』を見るのに大事な指数です。
おかしな物件を購入してしまわない為にも、総収益率(FCR)は必ず計算できるようになって下さい。
総収益率は次の計算式で算出されます
私の1棟目アパートの実例で解説
実際に私の1棟目アパートの実例で、FCR(総収益率)を計算してみます。
純収益(NOI)=満室家賃収入 – 空室損 – 運営経費
こちらの記事の再掲ですが、私の1棟目アパートの収支は下表のとおりです。
収支内訳 | 税込みの月額 | 対満室収入比率 |
---|---|---|
家賃収入 | ¥420,000 | 100% |
毎月返済額(銀行) | ▲¥160,900 | 38.3% |
管理料PM(管理会社) | ▲¥23,100 | 5.5% |
清掃費等 | ▲¥6,600 | 1.57% |
インターネット代 | ▲¥10,000 | 2.38% |
共用部水道代 | ▲¥1,500 | 0.36% |
共用部電気代 | ▲¥1,800 | 0.43% |
火災保険・地震保険 | ▲¥4,000 | 0.95% |
ひと月の手残り (税引前CF) | ¥212,100 | 50.5% |
まず、純収益(NOI)を求めます。
=満室家賃収入 – 空室損 – 運営経費
=42万円 - 2.1万円 - 4.7万円
=35.2万円(月)
年間の純収益(NOI)は、422.4万円です。
※空室率は5%で計算しました。(42万円の5%は2.1万円)
私の物件は現在満室ですし、今後数年築浅の間も満室経営を目指せますが、入退去に係る空室や経費は今後必ず発生しますので、どんな物件でも少なくとも空室率5%は引いて計算しておくべきだからです。
総事業費=物件価格+諸経費
次に総事業費を求めます。
中古で物件を買う際は、
総事業費=物件価格+諸経費 で良いですが、
土地から新築した場合は、
総事業費=土地代+上物価格+諸経費 です。
私の1棟目アパートの総事業費は7200万円でした。詳細はこちらの記事でご確認いただけます。
FCR(総収益率)=NOI(純収益)÷ 総事業費
これでようやく総収益率(FCR)が求められます。
総収益率(FCR)=NOI(純収益)÷ 総事業費
=422.4万円 ÷ 7200万円
=0.0586
=5.86%
私の1棟目アパートの総収益率(FCR)は5.86%だと計算できました。
総収益率(FCR)はざっくり『4%未満だとちょっと心配、4~6%が合格点、6%以上は優秀』と言われていますので、私の1棟目アパートも合格点が取れています。(だから買いました)
FCR(純収益率)を計算できるようになるのは大事
総収益率(FCR)がわかると、物件を買ってからの数年間の『稼ぐ力』がわかります。
総収益率(FCR)を他の物件と比較して、優劣をつける事もできます。
これを計算できるようになると、変な物件を掴む可能性がグッと減ります。
しかし、見ていただいたようにFCR(総収益率)を計算するためには、空室率や運営経費や購入時諸費用など様々な情報を得ないといけません。
逆の言い方をすると、この程度の情報をもらったり調べたり試算できないようでは、不動産投資をやっていいレベルではないという事です。不動産投資で儲けられるレベルではないという事です。
不動産投資はもっと勉強してから始めて下さい。
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イマイチよくわからん・・・。
という方へは、まずはこちらのページでざっくりとイメージを掴んでいただく事をおすすめします。