イールドギャップは「表面利回り%-借入金利%」ではない
「表面利回り%-借入金利%」みたいな単純な計算が、あらゆるシーンで使える・役に立つなんて事があるはず無いのです。
×「イールドギャップ=表面利回り%-借入金利%」だと勘違いしていた人は気を付けて下さい。
例えば、1億円の物件ABCがあったとします。
・表面利回り10%の物件Aは金利3%の借入条件だったので、その差は7%です。
・表面利回り8%の物件Bは金利1%の借入条件だったので、その差は7%です。
・表面利回り10%の物件Cは金利3%の借入条件だったので、その差は7%です。
※繰り返しになりますが、こんな計算しても役に立ちませんし、何の目安にもなりません。
どれもその差は7%で同じですが
しかし、物件Aの融資期間は10年、物件B,Cの融資期間は30年です。
自己資金比率は、物件Aは0%、物件Bは10%、物件Cは30%求められています。
一応計算すると、
物件A
自己資金0円
満室家賃収入年1000万円
年間返済額1158万円
物件B
自己資金1000万円
満室家賃収入800万円
年間返済額347万円
物件C
自己資金3000万円
満室家賃収入年1000万円
年間返済額354万円
どれも「表面利回り%-借入金利%」=7%は同じですが、中身は全く別です。何の比較にもなりません。何の安心材料にもなりません。
私も勘違いしていた
実は私もイールドギャップについては、「表面利回り%-借入金利%」だと勘違いしていました。
超初心者の頃・・・。
だって、〇待の動画などを見ていても、ベテラン投資家がそういう風に言ってたし・・・。
イールドギャップの本当の計算式はこう
※総収益率(FCR)や実質利回り(NOI)は、物件が真に稼ぐ力をみる指数です。
※ローン定数(K)はどれだけキャッシュアウトしているかを見る指数です。
または、少し簡易に、
と省略されている場合もあります。
正しくは、上の計算式なので、こちらを採用します。
私の1棟目アパートの実例でいうと、
総収益率(FCR)は、5.85%でした。
ローン定数(K)は、3.86%でした。
ですからイールドギャップ(YG)は、1.99%です。
イールドギャップの計算は大事
イールドギャップの計算は大事です
借入した分から自分の取り分(税引き前CFの一部)が発生しているのが解りやすくなるからです。
うまくレバレッジがかけられているとイールドギャップは大きくなります。
しかし、レバレッジは、かけられたほうが拡大には有利ですが、実際には理想通りの物件にどんどん出会える訳でも、ポンポン買える訳でもないので、ある程度は幅を持って見ればよい指数だと考えています。
言いたいのは、「表面利回り%-借入金利%」みたいな単純な計算が、あらゆるシーンで使える・役に立つなんて事があるはず無いので止めろ!という事です。