行動ファイナンス(行動経済学)-投資をする上で気を付けるべき8つの事

投資理論

行動ファイナンスって皆さんご存知でしょうか?

私もこのブログを書き始めてから知りました。

とても面白くて興味惹かれました。これを知って行動に気をつけることで投資成績も少しは変わるでしょう。特に大事なポイントを8つご紹介いたします。



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行動ファイナンスとは

「行動ファイナンス」とは大雑把に言うと
『投資をする上で人間は完全に合理的な行動など取ることはできないし、色んな罠にはまる。』・・だから気をつけろ!というものです。

下記に「行動ファイナンス」についての正しい&詳しい説明も引用しておきます。

野村證券-証券用語解説集-より引用
「人は利益の追求のため常に合理的に行動する」という前提に立つ従来の経済学に対し、人の心理面などの動きに注目し、投資を行うにあたって「人はどのように意思決定し行動するのか、なぜ時として非合理的な行動をするのか」を研究する「行動経済学」に基づく投資理論。代表的なものが、人が損得を判断するにあたって、絶対的な水準よりもある地点からの変化の大きさによって価値を決める「参照点依存性」、利益を得るよりも損失による苦痛のほうが大きく感じる「損失回避性」、損得の絶対値が大きくなるほどその感覚が鈍ってくる「感応度逓減性」という三つの特徴をもつことを解説したプロスペクト理論である。

行動ファイナンスにも色んな現象があり、そのそれぞれの現象に名前がついています。
それでは、1つずつ見てゆきましょう。

 

参照点依存性 とは

参照点依存性-野村證券の解説
人が損得を判断するにあたって、絶対的な水準よりもある地点からの変化の大きさによって価値を決める

例えば『○○ベリーのサプリメントが通常1袋2,000円の所,今だけなんと1袋980円』これです。
このサプリメントが980円というのが高いか安いかという水準ではなく、2,000円から1,000円以上も割引されたという変化の大きさで価値を決めてしまうのです。

株式投資で言うと、「めっちゃ下げてるから今この株を買うべき」とか「直近の値動きの良い株に魅力を感じて高値でも買ってしまう」など「ある地点」からの変化の大きさで価値を決めてしまうのが「参照点依存性」です。

本来はそうではなく、資産の取り崩しを始めるであろう20年後や30年後にその株価は今より上がっているかどうか、もしくは 企業が持っている本質の価値と比べて今の株価は割安かどうかで、価値を決めるべきですよね。

とは言え、私は毎日の株価に一喜一憂しています。
しかも、それをTwitterでつぶやくこともあります。


そんなインデックス投資家のTwitterアカウントがこちら

 

損失回避性 とは

損失回避性-野村證券の解説
利益を得るよりも損失による苦痛のほうが大きく感じる

人間は無意識に『得する』ことを選ぶ よりも『損する』ことを避けようとします。
下記のCase1,2は有名な例題です。

Case1:偶然知り合えた大富豪に100万円をもらいました。そして続けて言われました。
『ジャンケンで私に勝ったら、その100万円は倍の200万円にして差し上げよう。ただし、負けたら100万円は返してもらう。ジャンケンをしなくてもその100万円は差し上げる。』
あなたはこのジャンケンをやりますか?やりませんか?

Case2:あなたは100万円の借金があります。偶然知り合えた大富豪にこう言われました。
『ジャンケンで私に勝ったら、借金の100万円は私が払ってあげよう。ただし、負けたら私にも借金100万円であなたの借金は合計200万円になる。』
あなたはこのジャンケンをやりますか?やりませんか?

Case1,2は、どちらも『ジャンケンの勝ち負けで100万円もらえるか支払うかが決まる』という同じゲームなんですが、Case1ではジャンケンを断るが、Case2ではジャンケンをやる。という人が結構な割合で居ます。Case1ではもらえるのが確定した100万円を『損する』のを避けたいという思い、つまり「損失回避性」が働き、Case2よりもジャンケンを選ぶ人が減るという訳です。

(利益を得られる可能性が大きい)株式投資を行う日本人が少なく、(損することが避けられる)貯金を行う日本人が多いのもこの損失回避性かもしれません。

 

感応度逓減性(かんのうどていげんせい) とは

感応度逓減性-野村證券の解説
損得の絶対値が大きくなるほどその感覚が鈍ってくる

例えば個別株投資なんかで、100万円で買った株が翌日95万円になり、また翌日には90万円になったら
『うわー、購入銘柄&タイミング間違えたかな・・どうしよう。やばい、今のうちに売ろうかな・・・どうしよう・・。』と、色々と考え、焦るのですが、
これが翌週には80万円になり、翌月には50万円になり、さらに翌月には30万円になったりすると。
『ハハハ、笑うしかないわ。もういいや。塩漬け決定~♪』
などと、損に対する『感応度』が『逓減』されてしまうのです。
※実際私も日本個別株投資をしている時に正にこういう感覚になった事があります。怖いですね。

 


また、野村證券の解説では触れられていませんが下記のような現象も行動ファイナンスではよく語られます。

ギャンブラーの誤謬(ごびゅう) とは

これもよく言われる例を取りあげると、

コインの裏表を当てるゲームで、「表」「表」「表」・・と連続で「表」が出ている場面では「次はが出るだろう」と予測してしまうギャンブラーが多い。しかし、いくら表が続いていようが、次のコイントスで裏が出る確率は50%で確率には変わりがない。というモノ。(※コインにも投げ方にもイカサマなしの場合)

投資は(特に長期投資は)ギャンブルではないのですが、これが当てはまるケースがあります。
前述の『感応度逓減性』の例にも似てるのですが、買ったばかりの株の株価が下落、また下落、今日も下落、と続くと、さすがに明日は少しくらいは反発するだろう、売るにしても明日売る方が良いだろうと、持ち続けてしまう事があります。正に「ギャンブラーの誤謬」コイントスの事例とそっくりですね。

 

鏡映効果 とは

利益が出た時は10%UPくらいですぐに売ってしまうのに、損失が出ている時は10%を超え15%、20%になっても持ち続けてしまう。
こういった現象の事を鏡映効果と言います。

合理的な行動は、利益が出ている株は10%を超え15%、20%を超えてゆくのを待つべきであり、損失が出た株は10%くらいでサッと損切りすべきである。なのに、鏡に映ったように真逆の行動をしてしまう。何故か人間は、こういった行動をとってしまう訳なんですね。

 

気質効果(プライド効果) とは

個人投資家のプライドが投資成績に悪影響を及ぼすことを言います。例を挙げると

入念に四季報も読んで、タイミングも見て買った株の株価が下がった。「しかし、俺の選んだ銘柄が下がり続けるはずがない」と損切りをするのに、プライドが邪魔をしてしまう事がありますね。
加えて、「損切りした直後に上がったらどうするんだ」 そんな悔しい事は嫌だ。という思いも邪魔をします。

 

現状維持バイアス とは

株式投資でいうと、保有している株の株価が下がり続けてしまった場合も「今後株価が上がるか下がるかなんて予測できないんだから、このまま持っておくのも間違いじゃないよね」と現状維持を決断してしまう事です。

現状維持バイアスは投資以外のケースでも語られることが多いです。
例えば、従来品よりも『明らかに優れた製品』が開発された場合も『今使っている製品に慣れているからいいよ』とか『出たばっかりの製品だし心配だからまだいいよ』と、現状維持を選択してしまう事は色んなケースがあります。

 

合同バイアス とは

これも株式投資で言うと
「米国株以外への投資はパフォーマンスを落とすだけだ!」という意見と
「米国とはいえ1国偏重は危険だ!世界に分散すべきだ!」という意見が出た場合に、

米株偏重投資家は「米国だけでOK!」という他人の意見は集めて検証するものの、「世界に分散すべき!」という意見の方は検証しないどころか、意見を聞こうともしなくなる。これが合同バイアスです。

私もやっているTwitterはこの「合同バイアス」を作り易い危険性があると感じています。

例えば(※あくまでも例えです。特定の誰かの事を言っている訳ではありません。)
自分の投資理論を毎日つぶやき、それに協調的なコメントは「リツイート」し、その意見に少しでも反論した者は「ブロック」する、そしてその反論に協調した者も「ブロック」する、自分の意見に協調した者だけの世界(合同バイアス)を作り上げる。
そしてその世界の教祖として君臨する。
こんな事がTwitterでは、かなり起こりやすいので危険です。

 



なので、S&P500投資なんてクソだと思う方。
ぜひ私と仲良くしてください♪
色んな意見・考え方を私は知りたいです。



最後に

行動ファイナンスについて、このように浅く拾ってゆくだけで私はかなり勉強になりました。

心理学とか、そっちの分野もとても面白いですね。

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