日本の税制の話です。平成30年度税制改正大綱が決定しました。
その中の『中小企業の所得拡大促進税制』。企業の減税制度でしょ?私には関係ないわ。ではなく、これを知っておくことは中小企業だけでなく、その労働者である私達にとっても非常に有利になります。ぜひ知っておきましょう。
そして、この制度で我々中小企業に勤める労働者の給料は上がるのでしょうか?
また上げる(上げてもらう)にはどうしたら良いのでしょうか?
考えてゆきます。
Contents
中小企業の所得拡大促進税制とは
税理士でもなんでもない私が大雑把に説明。
『従業員の平均給料を前年の1.5%以上アップさせたら、会社の税金を減らしてあげますよ』
という制度です。
「平成30年4月1日以降に始まる事業年度分から適用」なので、H30年4月以降は給料アップしやすくなるかも!?ということ。
制度のポイントは2点①『平均給料』②『1.5%以上』
会社は従業員の平均給料を1.5%上げれば良いわけであって、全員の給料を1.5%上げる必要はありません。
極端な例で話をすると、
前年度年収500万円の社員が20人の会社は、支給額合計の1億円を1.5%UPさせ、今年度は給料として合計1億150万円以上支給すれば良いのです。
19人は500万円現状維持、1人だけ大幅150万円UP『500万円→650万円』でも良いわけです。
なんとしても、このUPする側に入らないといけません。
つまり、『中小企業の所得拡大促進税制』で我々中小企業に勤める労働者の給料は上がるのでしょうか?の回答としては
全員が1.5%上がると思ったら大間違い
今までより上がる人もいれば、上がらない人(今までどおりの人)もいる。です。
では、続いて給料を上げる(上げてもらう)にはどうしたら良いのでしょうか?
結論からいうと「社長に給料UP交渉する」これが一番の近道です。しかし、ただ単に「給料上げて」と言うのでは、けむたがられるだけです。そんなので給料が上がるはずもありません。ポイントを押さえて交渉しましょう。
私は大企業(S&P500にも入っている米国企業)から、中小企業である今の会社に転職したから体感としてもわかるのですが、
「大企業=優秀な人が多く、めちゃくちゃ優秀な人もいる」
「中小企業=平均的な人が多いが、めちゃくちゃ優秀な人もいる」
といったように、中小企業は個人の能力の差がかなりあると感じています。
なので、中小企業従業員の給料も結構差があります。
それに加えて、中小企業従業員の給料っていうのは、就業規則等である程度の基準は設けられてはいるものの、結局は社長のさじ加減1つで決められています。
なので、社長に給料上げないといけないなと思わせることが大切です。そのためにまずは中小企業の社長の生態を理解しないといけません。
中小企業の社長の給料というのは会社の業績次第で決まりますので、社長の心理としては当然、会社の業績に貢献している人間の評価(給料)が高くなります。
しかし、中小企業の社長は倒産を最も恐れていますので、会社の安定経営のために内部留保(会社の貯金)を貯めこむ傾向にあります。(特に日本の会社はこの傾向が強い。)
「従業員の評価はしてあげたいが、内部留保も確保しときたい。」中小企業の社長はこういったジレンマを抱えています。これを理解しましょう、会社の内部留保は確保させましょう。
次に、中小企業の社長は「団体で交渉されること」や「みんな平等に何々してください」ということを非常に嫌がります。なので、給料UP交渉は他の社員には言わずに1人でしたほうが良いです。
「え・・・。みんなで言わないと、私だけ嫌われて後々評価ダウンやクビになったら困る・・・。」
と思われるかもしれませんが、そもそもそんな人は給料UP交渉してはいけません。私は会社に充分に利益をもたらしている。そういう自信のある人は交渉しましょう。という話です。
そして交渉の際、数字で自分の努力・貢献具合を社長に示しましょう。営業でなくても、利益をもたらしている自身のある人は数字で示すことのできる何かがあるはずです。
そして、会社の内部留保が減るような無理な要求はしない。毎年1.5%以上がれば、それでいいわ。くらいに思って交渉しましょう。その際に『中小企業の所得拡大促進税制』の話を出す。「新聞で読みましたけど、会社の減税になるいい制度ですね。」くらいにしておきましょう。
これで、社長には最低1.5%は上げないとマズイなと思ってもらえたはずです。
まとめ
すみません、後半の「上げてもらう方法」は社長の性格や、社長と社員の関係性によっては、うまくいかない場合もあるのですが、ともかく。
・この『中小企業の所得拡大促進税制』を知っておく。
・そして「私(個人)はこの税制を知っているよ」ということだけは社長にアピールしておく。
これだけで、普段どおりに頑張っていれば私達の給料はプラスに働くはずです。
(※万が一社長がこの税制を知らなかったら、その会社はヤバイです。転職も視野に入れましょう。)
お金や税金の勉強はしたらその分だけ活用できることが多いです。日々勉強が大切です。
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