「株は上がり始めたら買え,下がり始めたら売れ」
株式投資の格言の1つと言って良い程有名な言葉です。
あの村上ファンドの村上世彰氏も著書の「生涯投資家」の中で何度も株式投資は
上がり始めたら買う、下がり始めたら売る
が基本であり、今でも最も大切にしている と述べておられます。
が、
私は、これは簡単なようで結構難しいと考えています。
ここ最近のS&P500のチャートを見ていて特にそう思いますので、実例を用いてこの難しさを確認してゆきます。
※以下、チャート画像はSBI証券のページより引用したものに一部編集を加えています。
Contents
下がり始めたら買え
直近の下がり始めと言えば2018年10月頭からの下げでしょうか・・。
史上最高値を更新してすぐ下げ始めたので、私には衝撃でした。
わかり易く線(緑)を引きます。10月を境に、明らかに下げ始めています。
『下げ始めたら売れ』の教えに従い、黒丸で囲ったあたりの『下げ始め』で売っていれば、下落には巻き込まれずに済んだ訳です。
上がり始めたら買え
直近の上がり始めと言えば、2018年のクリスマス以降です。
クリスマスを境に明らかに上げ始めました。
『上がり始めたら買え』の教えに従い、黒丸で囲ったあたりの『上げ始め』で買っていれば、株価上昇の恩恵に授かることが出来た訳です。
・・・。
しかし、この緑の線は結果を知ってから引いた線なので、このようにうまく引くことができます。
実際はこんなにうまく「上がり始め」「下がり始め」を感じ取ることは困難です。
実際はこう感じる
え?上がり始めた?
と思ったら、下がり始めた? え? え? え?
と思ったら、上がり始めた?
と思いきや下がり始めた?
え?上がり?
ん?下がり始?
え? ん? え?
・・・はい。
この様に考えて売買しているうちに売買手数料をどんどん削られて、狼狽売りもしてしまって、資産は縮小してゆきます。
素人はバイ&ホールドたまにリバランスが良い
投資のプロでもなければ、投資が趣味でもない人は、「バイ&ホールド」そしてバランスが崩れたらたまに「リバランス」が良いです。
実際、私は2018年10月の急落時も、2018年12月のクリスマ以降上げ始めてからもバイ&ホールドを貫いています。
2018年のクリスマスの時点では、運用状況を確認するのもイヤなくらいの含み損でしたが、2019年2月14日バレンタインデー現在は含み益が出ています。
例えば、株式比率を60%に保つと決めていたとします。
株価が思いの他の急上昇し株式比率が65%になったとしたら「株を買わずに他の低リスク資産を買う」もしくは「リバランスして60%に戻す(株を売る)」等すれば良いのです。
この作戦の良い所は、市場の動きを全く読まなくて良い所です。
素人は『バイ&ホールドたまにリバランス』の作戦でいきましょう。
余談
冒頭で紹介した、村上氏の「生涯投資家」はインデックス投資家でも必読です。
これを読むことでコーポレートガバナンスの重要性が大変よくわかります。
(※コーポレートガバナンス≒大雑把に言うと「経営者を見張る仕組み」。コレがないと企業は腐りやすくなる)
そして、村上氏のようなこの投資知識レベルじゃないと『個別株投資』はやってはいけないなと思い知れます。
村上氏のような投資知識レベルの人間と同じリングに上がって『お金で』殴り合うのが『個別株投資』です。
私は読めば読む程『インデックス投資でいいや』と思いました。
そういった意味でインデックス投資家にも、おすすめできる本です。
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