日本円は為替リスクが無いから安心というのは間違いです。
『外貨(や,外貨建て投資商品)は為替リスクがあるから危険だ』という意見はまだわかるのですが、『日本円には為替リスクが無い。だから日本円が無リスク資産だ』というのは間違いです。
為替リスクを減らしたいのなら、円も外貨も分散して保有することがリスクを下げることに繋がります。
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例えば 食料品と為替変動
日本は食料品に関して、国内の生産だけではまかないきれていません。
農林水産省が行った食料自給率の調査によると(平成29年度の調査)
日本の食料自給率は、カロリーベースで38%,生産額ベースでは65%でした。
(※当記事では、食料自給率は生産額ベースの65%として話をすすめてゆきます。)
私たちが食べるものの35%は輸入したものです。
この35%の部分は為替の影響をモロに受けます。
円高になれば輸入品の値段は下がりますから、私たちの食費は下がります。
円安になれば輸入品の値段は上がりますから、私たちの食費は上がってしまいます。
円安になっても円高になっても私たちのお給料は通常すぐに変化することはありません。
しかし円安になると、給料は上がらないのに、生きてゆくのに必須である食料品の値段は上がってしまうので、その他に使える自由なお金がその分減ってしまいます。
はい。
円安になると、私達の持っている日本円は減ってしまいました。
為替リスクの無いはずの、日本円だけを持っていたはずなのに、為替の影響を受けてしまいましたね。
※逆に円高になった場合を考えても、輸入品(食料)の値段が下がる⇒食費が減る⇒その他に使えるお金が増える。と、為替の影響を受けています。
ちなみに、外貨を持っていたら
外貨も持っていて、円安になった場合、外貨の評価額は上がるのでここでは『プラス』、しかし食費は増えるので『マイナス』、打ち消し合ってマイルドになります。
外貨も持っていて、円高になった場合、外貨の評価額は下がるのでここでは『マイナス』、しかし食費は減るので『プラス』、打ち消し合ってマイルドになります。
為替リスクを減らしたいなら、円も外貨も持とう
為替リスクを減らしたいなら、円も外貨も持てば良いです。
そして、外貨はただただ保有していてもその価値は変動するものの増えてゆきません。
しかし、外貨を米国株(S&P500)などに換えて持っておけば、その価値は変動しながら複利の効果で増えていってくれます。
「外貨を持つ」
「外国株を持つ」
と言うと、「そこまでリスクは取りたくない」と多くの人は考えるようですが
ほどよく外貨を持つ、ほどよく外国株投資をするというのは、実はリスクを減らす行為です。
私は日本円だけを保有するなんていう、リスクが高い行為は怖すぎてできません。
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私達は給料を『日本円』でもらってるため、海外ETFを買う時は円をドルに換えてから購入する必要があります。そのドル転は月1回で良いのか、毎週曜日を決めてやるのが良いのか、はたまた毎営業日やったほうが良いのかという疑問が沸いてきます。結論から言うと、「どれでも良い」のですが、シミュレーションすることでそれを説明しています。
(※円貨決済といって、円からそのまま米国株を買う方法もありますが、計算為替レートが割高なのでおすすめしません。)
他にもいろんな記事を書いていますのでよろしければ読んで行ってください。
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