金利が債券(国債)に及ぼす影響

      2018/06/12

「金利」が今後上昇するから、今は「債券」は買い時ではない。

投資家が上記のように話しているのをTwitterなんかではたまに見かけますよね。
今回の記事は上記一文が「?」の方に読んでほしい記事です。一緒に学んでゆきましょう。



金利とは

わからなかった時の検索頼みです。まずは「金利とは」で検索してみました。いろんな説明が出てきますね。

※三井住友銀行のページより引用
金利とは、住宅ローンのお借入金額に応じてお支払いいただく利息の割合のことです。
「変動金利」と「固定金利」の違いを理解して、ご自分のライフプランに合った金利の種類を選択することが重要です。

※楽天証券のページより引用
例えばAさんは100万円を保有しており、当面使う予定はないとします。一方でBさんは事業拡大のために100万円が必要だとします。この場合、BさんはAさんに100万円を借りればいいのですが、借りるためにはその対価を支払わなければなりません。これが金利です。

※JCBカードローンのページより引用
このページではキャッシングを利用する際に確認すべき融資利率(金利)について、説明をしています。

金利とは、あるページでは「利息の割合」。別のページでは「借りるために支払わなければならない対価」。また別のページでは「融資利率」と説明されています。

すみません。余計ややこしくなりました。

私が『独断』で上記「金利とは」の説明のうち最も我々投資家に役立つ表現をしているのを選ぶなら、『金利とは、利息の割合』これです。

 

金利とは利息の割合

金利とは、AからBにお金を貸すときの『利息の割合(%)』の事です。

そして、投資家が債券(国債)の話をしている時に出てくる金利とは『政策金利』のことを言っています。

政策金利とは、中央銀行(日本銀行)から市中銀行(我々が利用する銀行)にお金を貸すときの『利息の割合(%)』の事です。

※Wikipediaより引用
政策金利(せいさくきんり、英: bank rate)とは、中央銀行が、一般の銀行(市中銀行)に融資する際の金利。
中央銀行の金融政策によって決められ、景気が良い場合には高く設定され、景気が悪い場合には低く設定される。これによって、景気が良い場合には預貯金やローンの金利が上がり、通貨の流通が抑えられる。景気が悪い場合には金利が低くなって、通貨の流通を促進する意味合いを持たせることになる。

上記引用を表にすると、こんな感じ⇩です。

景気 政策金利 ローンの金利 通貨の流通
良い 高く設定 上がる 抑えられる
悪い 低く設定 下がる 促進する

景気が良い状態だと、政策金利は高く設定されます。景気が良いということは、お金が世間をぐるぐると 良く回っているということ。つまり、多少その回転を弱めても大丈夫なので、国は政策金利を高く設定します。政策金利が高いと、市中銀行も(我々にお金を貸し出す際の)ローンの金利も高くしないと『貸し損』になってしまうので、市中銀行はローンの金利を上げます。

ローンの金利が上がるとは、『100万円貸してあげるよ、そのかわり10年後に110万円にして返してね』だったのが『10年後に200万円にして返してくれないなら貸さないよ』に変わるということです。

こうなると(ローンの金利が上がると)、お金を借りる人は減りますので、貨幣の流通(お金の動き)は抑えられます。

ここまでで、
・金利とは「利息の割合(%)」の事である。
・政策金利の上下によって、お金の動きが変わる。
を理解いただけたかと思います。
次は本題「金利と債券の関係」に入ります。

その前に、そもそも債券って何なの?という方がおられましたら、まずはこちらの記事⇩をご覧下さい。

 

金利と債券の関係

そして、結論から示しますが、金利と債券の関係も表にすると、こう⇩なります。

景気 政策金利 債券価格
良い 高く設定 下がる
悪い 低く設定 上がる

そして本記事冒頭の一文に戻ります。⇩下記に引用しました。

「金利」が今後上昇するから、今は「債券」は買い時ではない。

この一文よく読むと、ひとつ疑問が浮かびませんか?

このセリフを言った投資家はなぜ『(政策)金利が今後上昇する』ってわかっているんでしょうか?

上昇するだろうからではなく、上昇するからって言っています。

「今後」って未来のことですよね、なぜわかっているんでしょうか?

未来から来たんでしょうか?

超能力者なんでしょうか?

 

いいえ、違います。

この人は、新聞等でよく経済情報を得ている普通の人です。

 

政策金利を今後上げるor下げるは発表されている

日本では

例えば日本でいうと 2017年に日銀が「※イールドカーブコントロール」を始めました。つまりこれは、日本ではもうしばらくは現在の低い金利を続けるよという事です。これが発表された情報です。

「※イールドカーブコントロール」を大雑把にかみ砕くと
「金利は今後しばらく0%で維持するように調整するわ。これはインフレ率が回復(上昇)するであろう2019年度ごろまでは続けるわ」という事です。

(素人にはわかりにくい表現だったりしますが)このように、ちゃんと政策金利の今後の見通しは発表されています。

 

アメリカでは

次にアメリカでいうと、
FRB(連邦準備制度理事会)がFOMC(連邦公開市場委員会)を年数回開いて、今後政策金利をどうするか発表してくれています。

2017年12月には、
政策金利を今の1.00~1.25%から今後1.25~1.50%に引き上げるようにするわ。と発表しました。

2018年3月には、
政策金利を今の1.25~1.50%から今後1.50~1.75%に引き上げるようにするわ。と発表しました。

2018年5月には、
政策金利はまだ今の1.50~1.75%でいくわ。けど、次のFOMCでは上げたいと思っている。けど無理に急いだりせんから安心して。と発表しました。

そして、このFOMCのメンバーたちが「今後2019年、2020年とこうやってちょっとずつ慎重にあげていく予定やから」と見通しを発表しています。

このように、5年や10年先の金利がどうなるかはわからなくても、1年先くらいまでなら金利が今後どうなるかは、随時発表されているのです。

ここで再度、本記事冒頭の一文に戻ります。

「金利」が今後上昇するから、今は「債券」は買い時ではない。

このFOMCの発表を聞いて、この投資家は『金利が今後上昇する』と言っているわけなんです。

最後に

この例題の答えを導き出す【考え方】が理解できれば、債券と金利の関係の理解はバッチリです。

例題

3月に10年後満期になる,1.25%固定金利の10,000円の債券Aが発行されました。
金利が0.25%上がり
4月には新たに、10年後満期,1.50%固定金利の10,000円の債券Bが発行されました。
これを受けて債券Aの取引価格は、いくらに変わるでしょう?
(10年後の満期額はどちらも10,000円とします。)

答え:債券Aの取引価格は250円下がって、9,750円になる。

【考え方】
債券Aの価値は、10年間持ち続けると、(1万円の1.25%は125円)
125円×10年=1,250円 に満期額の1万円を加えて『11,250円』と算出できます。

翌月新たに発行された、債券Bの価値は、(1万円の1.5%は150円)
150円×10年=1,500円 プラス1万円の『11,500円』と算出できます。

債券A,Bの取引価格がどちらも10,000円だとしたら皆、債券Bを選ぶため、債券Aに買い手はつきません。
そのため債券Aは、債券Bとの価値の差分250円下げ、取引価格9,750円とすることでようやく買い手がつきます。

はい。

金利が(0.25%)上がると、債券の価値は(250円)下がりましたね。

何度でも出しますよ。冒頭の一文の引用です。

「金利」が今後上昇するから、今は「債券」は買い時ではない。

金利が上がるとわかっているなら、債券は「買い時ではない」です。

※しかしまぁ、こんな事を言っていると、債券を買うのをいつまで待ったらいいの?状態になってしまいます。買い時ではないけど、ポートフォリオを構築するのに必要だし、変動したらリバランスしたら良いわと分かって買うのは良いと思います。注意して欲しいのは、「債券って無リスク資産なんだ~」と思って買って、金利上昇の影響がわからず、なぜか価値が下がった事に不安になり、安値で手放してしまう事です。

 

 

まとめ

この記事で『金利』について

・金利とは「利息の割合(%)」の事である。
・政策金利の上下によって、お金の動きが変わる。
・ちょっと先の政策金利の見通しは発表されている。
・金利が上がると債券価格は下がる。
・金利が下がると債券価格は上がる。

という事がおわかりいただけたと思います。

 

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