この本の洋題は”The Little Book of Common Sense Investing”
これを直訳すると ”常識投資の小さな本” です。
まさに『常識的な投資』つまり、『一般人が取るべき投資手法』について書いてくれてある、330ページもある小さな本※です。
※私はkindle版を購入したので本のサイズ感はわかりません、330ページもあるこの本が『小さな本』かどうかについてはコメントを控えさせていただきます(笑)。
#インデックス投資は勝者のゲーム
読了。めちゃ面白かったです。この本の内容を一言でまとめるなら
『低コストのインデックスファンド以外への投資はクソだ!』です。
はい。
高コストはアカンと心底思いました。— SPオヤジ@S&P500投資家 (@SPoyaji) 2018年7月23日
Contents
「インデックス投資は勝者のゲーム」の基本情報
筆者は、バンガードグループの創業者であるジョン・C・ボーグルです。
バンガードグループといえば(私のブログにたどり着いている方へは説明不要かと思いますが)米国一いや、世界一顧客視点に立ってくれている投信会社です。
・世界一の運用額を誇るVT(バンガード トータル ワールド ストックETF)
・ウォーレン・バフェットがイチ押しするETFであるVOO(バンガード S&P 500 ETF)
バンガードは、これらを超低コストで販売してくれている、言わずと知れた投信会社です。
この本で為になった内容
「投資家全体を1つの集団として見る」という視点
私がこの本を読むまで、持っていなかったのが「投資家全体を1つの集団として見る」という視点です。
投資家全体を1つの集団として見ると、理論上は『その集団の投資成績=市場平均』となるはずです。
しかし実際は『その集団の投資成績<市場平均』となってしまいます。
なぜこんな事になってしまうのでしょうか?
それは『手数料(コスト)』のせいです。
集団の全員が株を1つも売買せず全員が完全にホールドしていると、『集団の成績=市場平均』となります。しかし、集団の中には売買をして『各種手数料』を支払う者がいますので、「集団の成績」はこの「各種手数料」分だけ「市場平均」に負けてしまいます。
この視点を持つようになってから
・あの高配当戦略の投資家も
・あの新興国重視の投資家も
・あのレバレッジ投資家も
・あの○○○投資家も
含め地球上の投資家を皆ひとまとめにすると、その投資成績は 市場平均以下 になるのだなと思うと、市場平均でいいや、インデックス投資でいいやという思いがより一層強くなりました。
徹底したコストへの意識
この本では「コストへの意識は徹底して持たなくてはダメだ」という事が学べます。
『短期でガッツリ稼いで潔く手を引く』スタイルのヒトであれば(そんな神業が可能であれば)、特にコスト意識は重要ではないと思いますが、我々インデックス投資家はそうではありませんので、徹底したコストへの意識が大切です。
信託報酬や経費率って、長期投資ではバカにできません。
例えば経費率がたった1%の場合でも、株価変動も配当も無ければ100万円は40年後約67万円に減ってしまいます。経費率は何よりもシビアに気にしてゆきたい。
— SPオヤジ@S&P500投資家 (@SPoyaji) 2018年7月18日
コストというのはバカにできません。
コストは、上記ツイートのようにETFや投資信託にかかってくる「保有コスト」の他にも、「購入時コスト」「売却時コスト」そして「国へ払うコスト(税金)」があります。
コストが1%高いというのは、パフォーマンスが必ず1%悪いということです。
たった1%のパフォーマンスでも、複利の雪だるまの効果で、長期投資ましてや永久保有の結果にどう影響を及ぼすかは、皆さんもうご存知の事と思います。
コストのかからない投資手法こそ、われわれ凡人が取るべき手段です。
私も今後記事を書く際には、(自分のためにも)この「徹底したコスト意識」という部分には繰り返し触れてゆこうと思います。
今後10年はアメリカの市場平均はそんなに期待できない
2000年までのアメリカ株式市場はPERも共に上昇するという、ラッキーな状況だったので年利10%以上の成長を見せてきたが、それを今後も期待してはいけない。
2007~2016年のこの10年間では年利約7%だった。
そして今後10年間(2018~2027年)は更に下がって年利4%くらいになるだろう。なぜなら今現在のPERは高すぎるからだ。
との主張が書かれていました。
私は「ピケティの21世紀の資本」や「AIとBIはいかに人間を変えるのか」を読んで、『資本主義経済は成長し続ける』『AIが稼ぎ、そして人間はBI(ベーシックインカム)で生活できるようになる』という未来も信じています。ですから、AIが稼ぎ始めてかつ、BIが導入されるまでの期間は「高利益率・低企業税」という企業及び投資家にとって非常に良い期間が来ると期待しています。その「非常に良い期間」が、今後10~20年じゃないかなと考えています。
(はい。↑この1連の文章はかなり妄想強めなので、注意してくださいね。妄想ですよ~。こうなったらいいのにね♪ですからね。くれぐれもお間違えの無いように!)
とは言え、今後米国株が爆益を出そうが、微益になってしまおうが、私のS&P500に積み立て投資をするという行動に変わりはありませんので、「米株が今後どれほど成長するのか?」を論じるのはあまり意味がありませんね。
補足:PERとは
「PER」の意味と使い方を教えてください。 … この1株当たり利益に対し、株価が何倍まで買われているかを表したのが株価収益率(Price Earnings Ratio)です。 この倍率の高低でその会社の投資価値を判断します。 例えば、前期の1株当たり利益が20円、現在の株価が400円ならPERは20倍です。
「PER」の意味と使い方を教えてください。 | 日本証券業協会
www.jsda.or.jp/manabu/qa/qa_stock32.html
ちなみにPER=14が標準的な数値と言われています。(諸説あり)
私の言葉だけを信じる必要はない
あと、私がこの本で気に入ったのがこのフレーズ『私の言葉だけを信じる必要はない』です。
各章は筆者の主張が書いてあり、そして章の最後にこの『私の言葉だけを信じる必要はない』のコーナーでその章の内容について筆者以外の著名人の言葉が紹介される という構成になっています。
深くは言いませんがコレ、ライティングのテクニックとしてめちゃくちゃうまい「やり口」ですよねw
この「やり口」を上手いな!と感じた私は、先月から早速このやり口をブログで真似していますので、よければ探してみてくださいw
まとめ
書籍「インデックス投資は勝者のゲーム」は「株式を永久保有しよう」そう思わせてくれる本でした。
とても面白い本なのですが、アメリカ人がアメリカ人に向けて書いた本なので文中に出てくる「わが国」は「アメリカ」の事を指していますし、お金の表記は全てドル表記(かつ縦書きの本のためドル表記も縦書き)なので、言っている内容がスッと頭の中に入って来にくいです。
そのため、すらすらと頭に入ってきて読み進められるというよりは、1つ1つ考えながらじっくりと読み進めていくとう感じの本となっています。
オススメできる本ではあるのですが、これからインデックス投資を勉強しよう!と考える方の1冊目にはオススメしません。
そういった方への1冊目には、私はやはり日本人が書いた「お金は寝かせて増やしなさい」をおすすめします。
過去記事紹介
アメリカ株の配当性向が強いのは、「永久保有」という考えが強いからなのかな感じました。永久保有はしたいけど、生活するために現金は必要だからやむを得ず売却しないといけない。というジレンマを解決するためにアメリカ株には「配当」という制度が定着し、そして評価されているのでしょうね。
投資は私の言葉だけを参考にする必要はありません。
⇩ぜひ他の方の意見も参考にして下さい。
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