レバレッジをかけた投資はアリなのか ~レバナスやSPXL~

投資理論

常に議論が絶えない株式投資界隈の話題の中でも、メジャーな話題の一つ「レバレッジをかけた投資はアリなのか」について、株価が不安定な今、SPオヤジの考えを書いておこうと思います。

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レバレッジをかけた投資とは

Leverage (レバレッジ) の直訳は、『てこの作用、てこ装置』です。

レバレッジをかけた投資、てこの作用を活かした投資といっても、信用取引だったりレバレッジ商品,銀行借入などと、色々な手法があります。

当ページでは、レバレッジをかけた投資とは、「レバレッジ商品」つまり、レバレッジがかかった状態で販売されている投資信託やETFの事をいうことにします。いわゆるレバナス(ナスダック連動2倍投資信託)や、SPXL(S&P500連動3倍ETF)などの事として扱ってゆきます

メリットとデメリット

レバレッジをかけた投資の最大のメリットはやはりこれです。
・少ない自己資金を大きく増やせる可能性がある

逆に最大のデメリットはこれです
・資産を大きく減らしてしまう可能性がある

そして、株価の先行きが不透明な気になるのはやはり、デメリット「資産を大きく減らしてしまう可能性がある」のほうでしょう。

デメリットの実例~コロナショック時~

まだまだ記憶に新しい、2020年2月・3月の強烈な株価の下落、いわゆるコロナショック時のS&P500の株価変動と、レバレッジETFの株価変動を改めて見てみましょう。

S&P500

S&P500はコロナショックの際、2月20日頃から3月20日頃にかけての約1カ月間で33.9%下落しました。

1000万円あった資産が、たったひと月で339万円減り661万円になった。と言ったほうがわかりやすいでしょうか。強烈な下落でした。

SPXL

つづいて、S&P500の3倍の値動きをするように設定されたETFであるSPXLがどうだったか見てみます。
SPXLは同じ約1カ月間で76.9%下落しました。

1000万円あった資産が、毎日毎日激しく減り、ひと月後には231万円になってしまうイメージです。

TECL

ナスダック系・ハイテク系で構成されて人気の3倍ETFであるTECLはどうだったでしょうか。
TECLは同じ1月間で、75.1%下落しました。

1000万円あった資産があれよあれよと減り、ひと月で751万円失われ、249万円になってしまうイメージです。
資産がひと月で4分の1になってしまうのは辛いですね。

SOXL

最後に、
フィラデルフィア半導体指数の3倍の値動きをするように設定され、こちらも人気のSOXLも見てみます。
SOXLは同1か月間で80.4%下落しました。

資産がたったひと月で5分の1になってしまうイメージです。
1000万円がひと月で196万円に…。
1億円がひと月で1960万円に…。

 

そして恐ろしいことに、レバレッジ投資のデメリットはこれだけではありません。
もう1つ、回復が遅いというデメリットがあります。

もう一つのデメリット 回復が遅い

レバレッジなしのS&P500を、下表に丸をつけた3月頭頃に「底打ったかな?」と思い買い増ししたとします。その「底打ったかな予想」は外れ、まだまだ下落してしまうのですが、根気強く持ち続けていると6月にはそのあたりの株価に戻り、報われています。

しかし、レバレッジがかかっているとこうはいきません。
同様にSPXL(S&P500の3倍レバレッジ)を3月頭に底打ったと予測し買った場合、根気よくそのまま持ち続けても6月中には買った値段に戻っていません。

表にはありませんが、この時の価格に戻るのは8月中頃となっています。

はい。
この通り、レバレッジ商品は回復が遅いのです。

レバレッジをかけた投資はアリなのか

長くなってしまいましたが、レバレッジをかけた投資はアリなのか について、SPオヤジの考えは、
「これらのデメリットを理解しているのならアリ」です。
もっと言うと
「最悪ゼロになっても大丈夫な余裕資金中の余裕資金でやるならアリ」
「投資ではなくギャンブルとして遊ぶならアリ」
「宝くじに大金つっこむよりはアリ」
という感じですね。

実際、私も遊びで少額SPXLを買ったり売ったりはしています。(ホント少額です)
しかしそれは、資産形成ではないので、それについての情報発信は私は特にはするつもりはありません。

しかし事実、運よくこれらのレバレッジETFで大きく資産を増やせた方もおられます。
それを目指すならお好きにどうぞ。

私はメインとしてはやりませんが。

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