急落の気配を感じても「持ち続けるべき」1つの例

投資理論

急落の気配を感じとったら、「売るべきか」「持ち続けるべきか」という問題はいつも投資家を悩ませます。

架空の話ですが、
『売ってしまうAさん』と
『持ち続けるBさん』とを例にあげて比べてみます。

 

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『売ってしまうAさん』『持ち続けるBさん』

AさんもBさんも「同じ日」に「同じ株」を「同じ株価」で100万円分買いました。
買った直後からその株価は順調に上昇してゆきました。
それから、しばらく経ちました。

 

『売ってしまうAさん』の場合

Aさんが元手100万円で買った株の評価額は下図の時点で200万円を超えていました。

数日後、Aさんは急落の気配を感じ取りました。

Aさんは、この日の終値2820円で全株売却しました。
ちょうど200万円で売れました。

100万円で買った株が200万円で売れたので、儲けは100万円です。
しかし、儲けた分には税金がかかります。
(※簡略化のため、税率は20.00%とします)
Aさんは100万円の20%である税金20万円をお支払いしました。
Aさんの資産は180万円になりました。

 

さて、急落の気配を感じとり売却したAさん。
この後株価はどうなったでしょうか

 

Aさんの予想は的中しこの後、株価は大きく下がりました。

そしてこの日
Aさんは、今が底値だと判断し、株価2538円で180万円分購入しました。

 

『持ち続けるBさん』の場合

Bさんは、Aさんが売ったタイミングでも、その後下げ続けた時も、Aさんが買い戻した時もずっとそのまま株を保有し続けました。

 



『Aさん』と『Bさん』を比較

ちなみに・・
Aさんの予想は的中し、その後株価は上昇しました。

さて、『売ったAさん』と『持ち続けたBさん』上図の時点では、2人のどちらの資産が多いでしょうか?

答え

どちらも同じ。
(しいて言うなら、売買手数料分だけAさんの資産のほうが少ない)

 

解説

Aさんは株価2820円で全株売却し、200万円を得ています。
(2,000,000円÷2,820円/株=709.21・・・株)
つまりAさんもBさんも、この株を最初709株持っていたという事がわかります。

そしてAさんは全株売却後、株価2538円で180万円分、つまり709株買い戻しました。
(1,800,000円÷2,538円/株=709.21・・・株)

AさんもBさんも保有資産はこの709株だけなので、2人の資産は同額です。

はい。
神がかり的なタイミング投資が成功したAさんと、持ち続けただけのBさんが「同じ結果」です。

※ちなみにこのチャートはS&P500の2018年2月の急落を再現したものです。



結論

『急落前に売却して、安値で買い戻す』なんて事に憧れるのはやめましょう。

大事なのは、
「利益確定は長期投資(複利の効果)のパフォーマンスを落とす」
「税金をなめたらアカン」
この2点です。

どんなに売買がうまくても、税金は逃れられません。
Aさんのように売買が素晴らしいタイミングで成功しても、税金の事まで考慮すると持ち続けただけの人と同じ、もしくは持ち続けただけの人に負ける。
という事はザラにあります。

S&P500をバイ&ホールドしておけばOK といわれるのには、このような税金のカラクリもあります。

面白かったよ!という方。
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余談

「なんで、売ってすぐに課税されてるんだ?」とか、
「オレの場合は、含み益出てないから売ったほうがマシだよ?」とか、
ツッコミ所は山ほどあるでしょう。
そう思う方はそうして下さい。

私はあと19年はホールドします。

コメント

  1. 低所得者おじさん より:

    この記事を読んでどうしても気になる点があったのでコメントさせていただきます。気分を害されたらすみません。
    AさんとBさんの話ですが、上昇率100%(株価2倍)に対し下落率10%ではフェアじゃないと思います。
    下落率10%の値幅で高値売り底値買いしても誤差でしかないのは当然です。
    ですが、下落率が20%、30%、50%となると話は変わってきます。

    AさんBさんどちらも1410円で709株購入→どちらも資産100万円
    その後2820円でAさん売却→Aさん180万円(税引き後)。Bさん200万円
    その後50%暴落して1410円になったところでAさん180万円分1277株買い戻し→Aさん180万円。Bさん100万円
    この時点ですでに1.8倍の差です。
    その後2820円になる→Aさん1277株で360万円。Bさん709株で200万円
    倍率は1.8倍のままですが、額が大きくなればなるほどその差もでかくなります。※例:Bさん1億円に対しAさん1億8千万円
    下落率が大きいときは利確した方が絶対に得なので、そのこともきちんと書いた方がいいと思います。
    この記事を見て、暴落しても保有し続けた方が得と勘違いする人がいけないのでコメントさせていただきました。

    暴落するかどうかは誰にもわかりませんが、含み益が出ているときに少しずつ利確して下がるたびに買い増した方が利益率が高いのは確実です。
    今年の10月からの相場でそういう場面が何回もありました。自分は利確せずに保有し続けたため含み損がめちゃくちゃ増えて何度も利益を逃してしまいました。
    例え話にマジレスするなよって言われたらそれまでなんですが、どうしても気になる記事だったのでコメントさせていただきました。
    長文失礼しました。

    • SPオヤジ より:

      とんでもないです。
      コメント大歓迎です。
      「持ち続けるべき例」と同じくらい「手放すべき例」も存在していると思います。
      わかり易い例を、ありがとうございます。