優良な投資信託商品が多すぎると出て来る1つのデメリット

投資理論

投資信託を購入するのは、投資のベテランよりは投資の初心者のほうが多いですよね。

なので、金融会社はこの「初心者向け」に様々な投資信託のラインナップを揃えるのですが、その品揃えが良く(多く)なりすぎると出てくる1つのデメリットがあります。

それは「選択の苦悩」が増えるという点です。

選択肢が増えるというのは、選ぶ側にとってメリットであるように思われがちですが、実はデメリットも大きいです。




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選択肢が多いのは必ずしも利益にならない

米国株投資家にとっては馴染み深い「P&G」の過去の実例を紹介します。

P&Gは、26種類あったヘッド&ショルダーズのフケ防止シャンプーのうち、売上の少ないものを廃止して15種類に絞ったところ、売上は10%も跳ね上がった。
書籍「選択の科学」より引用

 

もう一つ米国株投資家にとって興味深い「アマゾン」に代表されるネットショッピングに関連する話を紹介します。
「アマゾン」等のネットショップには数多くの品揃えがありますよね。

これだけ多くの選択肢があれば、友人の誕生日にぴったりの贈り物など、いとも簡単に探せるはずなのに、結局はずらりと並んだプレゼントの候補の前で、途方に暮れてしまうのだ。
本当に彼女(彼)らしいのもは何だろう?
どれが本当の「最高の」プレゼントだろう?
これもいいが、ほかを探せばもっといいものがみつかるのではないか?
こんなふうに探し回っているうちに、ほとほと疲れてしまい、愛する人の誕生日を祝うという、本来喜びであったはずのことが、ただの面倒な作業になってしまうのだ。
書籍「選択の科学」より引用

これらの例に代表されるように「選択肢が多い」というのは必ずしも「選ぶ側の利益」をもらたすわけではないのです。(投資信託の優良なラインナップが多ければ、投資初心者にとっての利益となるわけではないのです。)

 

実際、私が米国株投資を始めた頃は楽天Vシリーズが無く、選びやすかった

(楽天Vシリーズを批判している訳ではありません。優良な投資信託商品だと思っています。)

私は現在はVOO(S&P500 ETF)を積立購入していますが、米国株投資のスタートはiFreeS&P500(投資信託)から始めました。

私は「インデックス投資を知る」
→「先進国株の強さを知る」
→「その中でも米国株の存在感に惹かれる」
→「バフェットも推奨するS&P500投資を知る」という順番を経て「S&P500投資」にたどり着きました。

私が米国株(iFreeS&P500)を買う事に決めた2017年9月中旬の時点では、楽天・全米株式インデックス・ファンド(通称:楽天VTI)はまだSBI証券では扱っていませんでしたので、「iFreeS&P500」と「楽天VTI」どちらにしよう?と悩む必要もありませんでした。

が、

もし2017年9月の時点で両方あり、もし選べていたとしたら、米国株未経験者だった私は「S&P500」と「全米株式」ってどう違うの?どっちのほうがいいの?と悩んで、もう少し調べる事になり、投資を始めるタイミングが遅くなっていたでしょう。

今ならば、そこで悩んでいる方を見つけたら
「そんなもん、ほぼ成績同じになるから、どっちでもええわ!」
「どっちでも結果はほぼ一緒になるから信託報酬の安い方選んでおけ!」

とアドバイスできるのですが、米国株未経験だった頃を思い出すと、結構調べないとわからなかったように思います。

投資信託の優良商品が増えるのは良い事なんですが、初心者が投資を始めるにあたっての悩みの種が増えてしまう、という弊害があります。これは、最悪の場合「難しいからもうええわ」と投資自体諦めてしまう人も作り出してしまいます。それは非常にもったいないですよね。

まとめ

投資信託商品のラインナップが良くなる(充実する)のも、初心者に選択の「悩み」を増やすため、一概に良いとは言えない。

記事にも引用させてもらった、書籍「選択の科学」を読んでいたら、こういった時にも選ぶのがきっと上手になりますよ。実験・数値・データに基づいた実例が多く紹介されているので、データ好きな投資家は、面白く読めます。


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